●落語会情報
◇銀瓶の喜楽館でぎんぎん!vol.4 〜『師弟』出版記念落語会〜
メール予約受付中!
96席限定!
メール予約:ginyoyaku@yahoo.co.jp
※お名前、人数、電話番号、ご住所、書籍の要・不要、
「6月20日 ぎんぎん」をご明記のうえ
とき:2021年6月20日(日)午後6時開演(5時30分開場)
ところ:神戸・喜楽館(078−335−7088)
※神戸高速・新開地駅から徒歩2分
※神戸市兵庫区新開地2−4−13
出演:笑福亭銀瓶「帯久」他一席
桂吉の丞「開口一番」、ミスタースキン「マジック」
木戸銭:後払い・投げ銭制(要予約)※全席自由
※書籍『師弟』は、1980円(税込)
※未就学児のご入場はご遠慮ください
※車椅子の方は事前にお知らせください
お問い合わせ:神戸・喜楽館(078−335−7088)
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『ケイスケサカモトとの出会いで銀ぎん!�』 2021年5月6日(木)
昨日とはうって変わって、気持ちのいいお天気。
先ほど、直筆で少し長めの手紙を書きました。
それも縦書きで。
横書きよりも縦書きは緊張しますね。
最近、直筆でモノを書くことが少ないため、時間がかかります。
字というのは不思議なもので、綺麗に書ける日もあれば、
全くダメな日もあります。
その時の精神状態とか、そういうものも関係しているのでしょうか。
あと、呼吸の状態も密接だと思います。
呼吸が浅い時は、何をやっても、あまり良くないですね。
自叙伝『師弟〜笑福亭鶴瓶からもらった言葉〜』のサイドストーリー。
昨日の続きです。
シンガーソングライター・ケイスケサカモトさんとの話。
↓
2011年5月9日、リョウ(ryo)さんが急性心不全で亡くなられた。
ほんの少ししか話していないのに。
お通夜で、ケイスケ(keisuke)に言った。
「ケイスケ、歌、やめるなよ」
憔悴しきった顔で、しかし彼は、小さく「はい」と答えた。
そして翌月から、「オオザカレンヂ keisuke」として活動を再開した。
彼のライブに行き、彼の歌で元気をもらった。
子どもの頃から歌が好きで、学生時代、友人とバンドを組んでいた私であるが、噺家になってからずっと、音楽と距離ができていた。ゆっくりと音楽に浸る、そんな心の余裕がなかったのかもしれない。
久々に音楽に触れるきっかけを与えてくれたのが、オオザカレンヂとの出会いだった。
心のよりどころであったリョウ(ryo)さん亡き後、自らの世界を切り拓こうともがいているケイスケと、2人で一緒に何かをしたくなった。
それは自分のためでもあった。年に数回、ケイスケと小さなライブをすることで、自分の新しい世界を作り、自身に刺激を与えたかった。
私にそう感じさせたのは、ケイスケの曲、歌声、普段の振る舞いなどに垣間見ることができる、彼のピュアな人間性に他ならない。
ケイスケもそれに応えてくれ、2012年から不定期でライブを開催した。
2人で歌い、喋り、ケイスケが歌い、私も歌い、また2人で喋る。
「次はもっとこうしよう」と考えることで、私にとっても勉強になった。
そうやって一緒に過ごしていると、私の方が13歳も年上であるにも関わらず、時々、ケイスケの方が大人だなと感じることもあったし、あるいはまた、落語と音楽という違うジャンルなのだが、人生の先輩として、私からアドバイスすることもあった。
少しずつ、本当に少しずつステップアップしているケイスケに、私は一つの提案をした。
「今までやったことのない、経験したことのない大きな会場で、自分のライブをやるべきだ」
噺家が自身の落語会をする場合、最初は50人くらいの小さな会場でスタートする。そこをいっぱいにできるようになったら、次は100人の会場、その次は200人と、キャパを大きくしていく。
100人しか入らないところで続けていたら、100人を超えることはできない。少し背伸びをしてでも、大きな会場に移すことによって、自分も大きくなれる。
ケイスケに、思いっきり背伸びをしてほしかった。
2015年9月20日、心斎橋にある「BIGCAT」で、オオザカレンヂ keisukeのワンマンライブが開催され、約300人のお客様が足を運ばれ、そこで、彼は躍動した。
もちろん、ライブは大盛り上がりの大成功。
私は自分の独演会が満席になった時よりも嬉しかった。
その後、ライブ会場を少しずつ大きくして、2017年12月22日には、サンケイホールブリーゼに約900人のファンを集めた。
もうすでに、初めて出会った頃のケイスケではなかった。私は、1人のシンガーソングライター、音楽のプロとして、ケイスケに全幅の信頼を寄せていた。
「30周年記念でライブをしたい。力を貸してほしい」
「落語はせずに、歌ですか?」 「そうや」
「オモロいですね」
自身の仕事もある中、バンドの編成、曲の構成、スタジオ練習の調整など、あらゆることを引き受けてくれた。
ケイスケを筆頭に、バンドメンバー、音響・照明スタッフのお蔭で、ライブ当日を迎えた。
2018年5月12日、ナレッジシアターには、約250人のお客様が集まってくださった。
400人のホールを満席にできなかったのは残念であるが、あまり欲張ってはいけない。
「笑福亭銀瓶の歌を聴いてあげよう」という心優しい、温かいお客様たちに甘えて、佐野元春、浜田省吾、やしきたかじんなど、私が大好きなシンガーの曲を思う存分、心を込めて歌った。
たぶん、恐らく、きっと、お客様たちは満足していたはずである。
もちろん、最も満足感を味わい、ライブを堪能していたのは、私自身である。
次は、40周年、いや、35周年で再びライブをやりたい。
やりたいことができるというのは、実に幸せなことである。
ケイスケにも転機が訪れた。
私のライブと同じ年、9月2日、オオザカレンヂ結成10周年を機に、「オオザカレンヂkeisuke」から、「ケイスケサカモト」に改名し、また、新たな扉を開いている。
多くの方々に、ケイスケサカモトの世界を肌で感じて頂きたいと願っている。
アグレッシブに動き、充実した2018年の締めくくりは、当然、落語会である。
10月28日、兵庫県立芸術文化センターにて『笑福亭銀瓶 30周年記念独演会』を催すことができた。
その7年前、『焼肉ドラゴン』で大きな拍手を浴びた、想い出の舞台。
約800人のお客様の前で、『阿弥陀池』、『たちぎれ線香』、『寝床』の三席を演じた。
この日もまた温かい拍手に包まれ、噺家として幸せな時を過ごすことができた。
光陰矢の如し。
まさにその通りである。
30年前、1988年3月28日、師匠に入門したあの日が、ついこの前のように感じる。
この30年で、自分は何をやったのであろう。何もしていない、わけではないのだが、取り立てて「これだ!」ということをしたわけでもない。
瞬間的な満足を感じたことはあるのだが、それはあくまでも、その瞬間だけのことである。
しかし、恐らくきっと、死ぬまでそうだと思う。だからこそ、前に進むことができる。
噺家になって30年という時間が経過し、素直にこう感じた。
「これまでの30年間は、次の30年間への助走にしか過ぎない」
本当の勝負が、やっと始まった。
それは、他の誰とでもない、自分との闘いである。
↓
新型コロナウイルスの影響で、噺家、役者、歌手、演奏者など、
あらゆる舞台人、表現者が大きな危機に直面しています。
そんな中、ケイスケサカモトさんも、前を向いている。
自身の世界を構築しようと、もがいている。
しかし、彼は昔からそうだった。
常に、闘っている。
私も負けてはいられない。
長文をお読み頂きまして、ありがとうございます。
では、今日も銀ぎん!^^
[3706] 今日も銀ぎん!/2021.05.05(水) 12:19
『ケイスケサカモトとの出会いで銀ぎん!』 2021年5月5日(水)
「こどもの日」だと言うのに、あいにくのお天気。
まあ、快晴だとしても、この状況だと、子どもたちにはかわいそうですね。
たまに、近所の公園で、小さなお子さんや小学生たちの声、
特に笑い声を聴くと、こっちまで嬉しくなります。
私も子どもの頃には、大声を上げて遊び回っていました。
自叙伝『師弟〜笑福亭鶴瓶からもらった言葉〜』のサイドストーリー。
「佐野元春さん」「M先生」に続いて、3回目は、これまた大切な人、
シンガーソングライターのケイスケサカモトさんのことを書きます。
初めて出会った時、彼は「オオザカレンヂkeisuke」という名前でした。
あれから、あっという間に、10年が経過しました。
長いから、2回に分けて掲載します。
まずは、前半から。
↓
『銀瓶しごきの会』で幕を開けた2018年は、この世界に身を投じて30年という節目の年。
10年、20年とは全く違う、それだけの時間によって生まれた、重みのようなものを自分自身でも感じていた。
しかし、だからと言って、「おさまって、ドーンと構えよう」というような気は更々なかった。
すでに前年の初め頃から、こう考えていた。
「2018年は『銀瓶のぎんぎん祭』みたいな年にしよう」
入門月である3月に繁昌亭で2回催した『リクエスト落語会』では、あらかじめ用意した演目表の中から、その日のお客様の投票で三席のネタを決め、計六席演じた。
3月24日は、『七段目』、『宿屋仇』、『たちぎれ線香』。
3月28日は、『宿題』(作・桂三枝)、『寝床』、『百年目』。
この中から、あるいは別の噺でも、将来、「笑福亭銀瓶の代名詞はコレだ!」と、お客様から、世間の皆様から評価される噺を持ちたい。
例えそれが、たった一つでもいい。
「いま、この噺を聴くなら、笑福亭銀瓶だ」と言われたい。
それに向かって、突き進むしかない。そのためには、自分を信じて、それと同じくらい自分を疑い、そして、いいことも、悪いことも、嬉しいことも、嫌なことも、その日のうちに全て忘れて、毎日を新鮮な気持ちで生きていく。
完成など、あり得ない。
入門記念日である3月28日、師匠に電話をかけた。
「師匠、ありがとうございます。今日で、ちょうど30年です」
「そうかぁ。おめでとう。いや、30年は大したもんや。そやけど、まだまだ攻めていけよ」
「はい。まだ何もできていませんから」
秋に30周年記念の独演会が決まっていたが、それだけでは自分自身が何とも物足りなく、落語以外のこともやった。
それは、歌。ライブをやった。落語は全くなし、7人編成のバンドを組み、全17曲、2時間40分のライブ。
5月12日、大阪・梅田、ナレッジシアターにて催した『笑福亭銀瓶 30周年記念ライブ NEDOKO』。
落語『寝床』から取ったタイトルである。
浄瑠璃好きの旦那が、無理やり知人を集め、嫌がっている人たちに下手な浄瑠璃を無理やり聴かせるという、お馴染みの噺。今なら完全なパワハラである。
私の歌を聴かせるというところから『NEDOKO』と名付けた。しかし、『寝床』の旦那は、お酒と料理を振る舞い、そのうえ無料で開催しているのだが、私のライブには飲み物も食べ物もなく、1人あたり4000円の入場料まで取ったのだから、私の方がタチが悪い。
このライブで、ギター演奏はもちろん、バンドマスターの役目を果たして私を助けてくれたのが、ケイスケである。
シンガーソングライターである彼と初めて出会ったのは、2010年のことだった。
当時のブログには、次のように綴っている。
〜〜〜
『オオザカレンヂで銀ぎん!』 2010年12月11日(土)
昨日、男性2人組のミュージシャンと出会いました。その名も『オオザカレンヂ』。
梅田のロフト前で、ほぼ毎週金曜日に歌ってはるんです。
MBSラジオ『こんちわコンちゃん』を終えて外に出ると、いつも大体、午後4時過ぎ。
その時、マイクテストをしてはるんですね。
で、マイクテストの曲が『夏の終わりのハーモニー』が多いんです。僕の好きな歌です。
2人のハーモニーが綺麗だから、それだけ聴いて帰ってたんです。
というか、その後に用事があるから、ゆっくり聴けない。
昨日、MBSを出たら、マイクテストの直前みたいだったので、僕から声をかけたんです。
そしたら、いい感じの2人でして。
『thank you』というアルバムを買いました。
いま、それを聴きながら書いてます。なかなか優しい歌声です。
いつか、ライブで聴きたいです。
〜〜〜
私より年上のリョウ(ryo)さんと、当時30歳のケイスケ(keisuke)。
この2人が『オオザカレンヂ』を結成したのは、2008年のことであった。
その2年後、梅田のロフト前で出会ったことに、何か運命的なものを感じる。
私が『こんちわコンちゃん』に出ていなかったら会えていないし、また、金曜日ではなく他の曜日に出演していたら、知らないままであった。
そして、彼らがマイクテストで違う曲を歌っていたら、私は素通りしていたかもしれない。
毎週、毎週、大好きな『夏の終わりのハーモニー』が聴こえてきたので、私は足を止めたのだ。
少しずつ2人と仲良くなり、年が明けて、2011年4月には、ラジオ大阪の私の番組にゲスト出演をしてもらった。
とても素敵な2人で、歌詞もメロディーもスッと心に入ってくる、いい歌を聴かせてくれる『オオザカレンヂ』。
世に出ようと頑張っている2人を、こちらもまだ売れていない噺家ではあるが、微力ながら応援したい、少しでも多くの方々に彼らの音楽を知ってもらいたい、そのために、2人との距離をもっと縮めよう、もっと仲良くなろう、そう思っていた矢先、信じられないことが起こった。
2011年5月9日、リョウ(ryo)さんが急性心不全で亡くなられた。
ほんの少ししか話していないのに。
お通夜で、ケイスケ(keisuke)に言った。
「ケイスケ、歌、やめるなよ」
↓
前半は、ここまでにします。
今から、ケイスケサカモトの歌を聴きます。
皆さんもぜひ!
では、残念なGWでも銀ぎん!^^
[3705] 今日も銀ぎん!/2021.05.04(火) 15:25
『中学時代、M先生の想い出で銀ぎん!』 2021年5月4日(火)
私の自叙伝『師弟〜笑福亭鶴瓶からもらった言葉〜』。
お読みくださった方々から、多くのご感想を頂いております。
本当にありがとうございます。
先週、何度もラジオに出て、本のPRをさせて頂いたのですが、誠にタイミングが悪いことに、緊急事態宣言の真っ只中で、閉まっている本屋さんがあるんですね。
梅田の紀伊國屋書店も、その一つです。
サイン本も置いてくださっているだけに、残念です。
開店したら、皆様、ぜひよろしくお願い申し上げます。
先日、『師弟』に掲載できなかった、学生時代に佐野元春さんを知ったエピソードをここに書いたところ、「他の話も読みたい」というお声を頂きました。
そこで、「サイドストーリー」ということで、中学3年生の時の話を掲載します。
英語のM先生のことです。
先生の名誉のために、イニシャルにしました。
長いですが、お付き合いください。
↓
1982年(昭和57年)4月、中学3年生になった。
この年、プロ野球では、ロッテオリオンズの落合博満選手が、史上最年少、28歳で三冠王に輝くのであるが、バリバリのジャイアンツファンだった私は、ほとんど知らなかった。
もっと、ロッテ時代の落合選手のプレーを観ておくべきだったと、後悔している。
担任は前年に続き、石原基司先生に決まった。2年の時、いい印象だったから嬉しかった。
クラスメイトは、男子も女子も楽しい奴ばかりで、毎日、馬鹿なことばかりやって、笑いが絶えない教室だった。
特に、田丸敏夫くんとは馬が合い、漫才とまではいかないが、休み時間になると、2人の掛け合いで同級生たちを笑わせた。それが快感だった。
中学生時代のことを書くにあたって、先日、石原先生と電話で話した。卒業以来、ずっと年賀状のやり取りを続けているし、何かあれば、いつでも連絡できる。
先生がご結婚された時には、同級生を集めて、ささやかながらお祝いのパーティーを開いた。
コロナウイルスの影響が出るまでは、年に数回、私の落語会にも足を運んでくださっていた。
早く先生に落語を聴いて頂きたい。
その電話の中で、私が忘れていた、こんなエピソードを教えてくださった。
ちなみに先生は、私のことを「銀瓶ちゃん」と呼んだり、あの頃のように「まっちゃん」と呼んでくださる。松本だから「まっちゃん」である。
「3年の時、まっちゃんと田丸が、新聞を作ってくれてなぁ。『松丸新聞』言うて。まあ、学級新聞みたいなモンやけど。その時、別にそんな習慣はなくて、他のクラスも作ってなかったんや。こっちが作ってくれ言うて頼んだわけでもなく、勝手に作ってくれたんや。どんな内容やったか、もう覚えてないけど、なんか、ありがたかったなぁ。…えっ?…先生が、こんな新聞外せって言うたかって?…言うてないよ。言うてないはずや」
その新聞のことは、先生に言われて思い出した。何回作って、何を書いてあったのか、私も覚えていない。きっと、くだらない下ネタ満載だったはずだ。
3年の春、他の学校から新しい先生が赴任して来た。校庭に全校生徒が整列し、先生が順番に朝礼台に上がり、赴任の挨拶をする。
英語のM先生が立った。背はそれほど高くないが、肩ぐらいまで髪が伸び、色の薄いサングラスをかけている。パッと見は大人しい、一昔前のフォークシンガーといった感じ。
M先生が言った。
「先生は遠慮しません。手ェも出します。時には、足も出します。それだけは、先に言っておきます」
みんなで、「おい、英語のMって、怖そうやな」と囁き合った。生徒同士の間では、先生のことは呼び捨てにしている。
今では、教師が生徒に手を上げることは絶対に許されないことであるが、我々の時代、そんなことは当たり前だった。また、叩かれた子の親が、学校に怒鳴り込むなどということもなかった。
親が自分の子に、「アンタが悪いんや」と言って、それで終わりだった。
1980年代前半、世の中には「校内暴力」の嵐が吹き荒れていた。
ドラマの『金八先生』や、尾崎豊の名曲『卒業』の歌詞にある「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」的な感じで、多くの中学校で問題が起きていた。
ところが、我が、神戸市立烏帽子中学校は、本当に大人しい学校で、窓ガラスが割られるなんてことはなかった。野球部が狭い校庭でフリーバッティングをして、なかなかバットに当たらない奴が珍しくジャストミートした球がガラスを直撃したことくらいしか、私は覚えていない。
それでも、数人のヤンチャな生徒はいた。そして、彼らが校区外へ出て、他校生とちょっとした揉め事を起こしたというようなことは時々耳にした。
3年の夏休み前くらいだったか、4時間目が始まった頃、校内が騒然とし始めた。
なんと、少し離れたところにある他の中学校から、その学校を代表する「悪(ワル)3人組」が、殴り込みに来たのだ。きっと、ウチの生徒とトラブルがあったのだろう。
校庭の隅で、長身の3人が何やら喚いている。そこへ、烏帽子中学の先生が数人駆けつけ、なだめているようだった。「早く帰りなさい」とか言っているのであろう。
授業そっちのけで、全ての窓から生徒が顔を出し、事の成り行きを見守っている。
私も田丸くんと並んで、3階の窓から注目していた。
一向に収まる気配がない。
その時、西側の校舎から颯爽と姿を現したのが、英語のM先生だった。
多くの窓から「おおっ!」という声が上がった。
「まっちゃん、Mが出て来たで!」
田丸くんが興奮しながら私の肘をつついた。
「そうやな」
私は唾を飲み込んだ。
ついに、あのM先生がベールを脱ぐ時がきた。
「手ェも出します。時には、足も出します」
赴任の挨拶で、みんなを震え上がらせた、パッと見は大人しいM先生が、どんな風にあの3人組を蹴散らすのか、学校中の視線が集まった。
M先生がどんどん近づいて行く。それとともに、生徒たちの「おおっ!」という声も大きくなっていく。
M先生が3人組の真横まで来た。いよいよ、何かが起きる。
はずだった。
先生は通り過ぎた。
横を見ると、田丸くんが「?」みたいな顔をしている。きっと私も同じ表情をしていたはずだ。
「あの人、どこに行くんやろ〜?」という空気が、校舎の隅々にまで充満していた。
他校から来た3人組ではなく、M先生の動きを、みんなが凝視していた。
先生は、パン屋さんに入って行った。
「ローザンヌ」という名の近所でも人気の美味しいパン屋さん。
しばらくすると、パンの入った紙袋を手に持って、店から先生が出て来た。
そして、先生はまた、3人組の横を通って、校舎の中に消えた。
私はそれから、M先生の英語の授業が、さらにまた楽しくなった。
↓
あの日も、今日のように快晴でした。
M先生、どうされているのかな?
先生の英語の授業は、分かりやすくて、私は大好きでした。
「ローザンヌ」のパンも本当に美味しかった。
では、風呂上がりのビールを楽しみに、今日も銀ぎん!^^
[3704] 出演情報/2021.05.03(月) 10:41
●落語会情報
◇笑福亭銀瓶「師弟」出版記念落語会
奈良でやります!
サイン本つきの場合プラス1980円(要予約)
とき:2021年5月23日(日)午後3時開演(2時30分開場)
ところ:落語喫茶 古々粋亭(0742−94−7707)
※奈良市小西町9 小西さくら通り商店街内
出演:笑福亭銀瓶「百年目」他一席
木戸銭:予約2000円、当日2500円
※サイン本つきの場合プラス1980円(要予約)
お問い合わせ・ご予約:古々粋亭(0742−94−7707)
メール:kokoikitei@gmail.com
[3703] 出演情報/2021.05.03(月) 10:38
●落語会情報
◇第3回 米二・銀瓶 ふたり会
開演時間を変更する可能性もあります!
とき:2021年5月24日(月)午後6時30分開演(6時開場)
ところ:天満天神繁昌亭(06−6352−4874)
番組:桂米二「千両みかん」他一席
笑福亭銀瓶「くっしゃみ講釈」他一席
笑福亭呂翔「開口一番」
※米二&銀瓶の対談あり
木戸銭:一般前売り3500円、一般当日4000円(全席指定)
ユース(25歳以下)2000円
※ユースは桂米二予約センターでのみ取り扱い(要年齢証明)
チケット発売:チケットぴあ電話予約(0570−02−9999)
@電子チケットぴあ http://pia.jp/t チケットぴあ店頭、
セブンイレブン ※Pコード597−700
繁昌亭窓口(11時〜20時)
ご予約:桂米二予約センター
電話 080−5338−7331
PCメール・Yahoo・Gmail等 g-yan@yoneji.com
携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)
yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
※繁昌亭窓口で購入すると手数料はかかりませんが、
チケットぴあ、コンビニの場合、手数料がかかります
※未就学児のご入場はお断り申し上げます
お問い合わせ:天満天神繁昌亭(06−6352−4874)
[3702] 出演情報/2021.05.03(月) 10:36
●トークライブ
◇米團治&銀瓶のピロートーク ♯15〜今夜は全編マクラです〜
詳細は改めて!
とき:2021年6月
ところ:雲州堂(06−6361−3964)
※地下鉄・南森町駅、JR東西線・大阪天満宮駅、
京阪本線・地下鉄・北浜駅より徒歩5分
※大阪市北区菅原町7−2
出演:桂米團治、笑福亭銀瓶
木戸銭:予約3000円(1ドリンク付き)
電話予約:雲州堂(06−6361−3964)
※受付時間 10:30〜12:00 14:00〜18:00
※月曜日定休
[3701] 出演情報/2021.05.03(月) 10:34
●落語会情報
◇第11回 くまとりアトム寄席
とき:2021年6月13日(日)午前10時30分開演(10時開場)
ところ:アトム共同保育園(072−452−7112)
※大阪府泉南郡熊取町長池2−1
※JR阪和線・熊取駅下車、南海バス「大阪体育大学」か
「つばさが丘」方面行き、熊取団地下車、徒歩3分
出演:笑福亭銀瓶、笑福亭由瓶、笑福亭呂翔
木戸銭:前売り1500円、当日1800円
お問い合わせ:アトム共同保育園(072−452−7112)
[3700] 出演情報/2021.05.03(月) 10:19
●落語会情報
◇桂慶治朗 十二ヶ月奮闘落語会
とき:2021年6月22日(火)午後7時開演(6時30分開場)
ところ:動楽亭
※地下鉄・動物園前駅1号出口を出て、ファミリーマートの2F
番組:桂慶治朗「七度狐」「佐々木裁き」、月亭秀都「開口一番」
笑福亭銀瓶「おたのしみ」
木戸銭:予約1800円、当日2000円
予約:慶治朗落語会事務局(090−8126−2020)
メール k.kjro84@gmail.com
[3699] 出演情報/2021.05.03(月) 10:05
●落語会情報
◇米二・松喬・銀瓶 三人会 @喜楽館 vol.2
前売り開始は後日!
88席限定!
とき:2021年7月10日(土)午後6時開演(5時30分開場)
ところ:神戸・喜楽館(078−335−7088)
※神戸高速・新開地駅から徒歩2分
※神戸市兵庫区新開地2−4−13
番組:座談会、桂米二「寄合酒」、笑福亭銀瓶「蔵丁稚」、
仲入り、笑福亭松喬「三十石」
木戸銭:一般前売り3500円、一般当日4000円(全席指定)
ユース(25歳以下)2000円 ※限定10枚
※ユースは桂米二予約センターでのみ取り扱い(要年齢証明)
チケット発売:チケットぴあ電話予約(0570−02−9999)
@電子チケットぴあ http://pia.jp/t チケットぴあ店頭
セブンイレブン ※Pコード597−410
喜楽館窓口(手数料はかかりません)
ご予約:桂米二予約センター
電話 080−5338−7331
PCメール・Yahoo・Gmail等 g-yan@yoneji.com
携帯メール(docomo・ezweb・softbank等)
yoneji.k-yoyaku.0906@ezweb.ne.jp
※未就学児のご入場はご遠慮ください
※車椅子の方は事前にお知らせください
お問い合わせ:神戸・喜楽館(078−335−7088)
[3698] 出演情報/2021.05.03(月) 09:59
●落語会情報
◇第15回 銀瓶・由瓶 兄弟会
詳細は後日!
とき:2021年7月17日(土)午後5時45分開演(5時15分開場)
ところ:天満天神繁昌亭(06−6352−4874)
番組:笑福亭銀瓶、笑福亭由瓶
木戸銭:一般前売り円、一般当日円
大学・高校生円、小中学生円(全席指定)
チケット発売:チケットぴあ電話予約(0570−02−9999)
@電子チケットぴあ http://pia.jp/t チケットぴあ店頭、
セブンイレブン ※Pコード597−700
繁昌亭窓口(11時〜20時)
※繁昌亭窓口で購入すると手数料はかかりませんが、
チケットぴあ、コンビニの場合、手数料がかかります
※小さなお子様のご入場はお断り申し上げます
お問い合わせ:天満天神繁昌亭(06−6352−4874)
[3697] 出演情報/2021.05.03(月) 09:55
●落語会情報
◇第14回 銀の花瓶に菊之情〜銀瓶・菊之丞 ふたり会〜
古今亭菊之丞 30周年記念
詳細は後日!
とき:2021年9月20日(月・祝)午後6時開演(5時30分開場)
ところ:天満天神繁昌亭(06−6352−4874)
出演:笑福亭銀瓶、古今亭菊之丞
木戸銭:前売り(全席指定)
チケット発売:チケットぴあ電話予約(0570−02−9999) @電子チケットぴあ http://pia.jp/t チケットぴあ店頭
セブンイレブン ※Pコード597−700
繁昌亭窓口(11時〜20時)
※繁昌亭窓口で購入すると手数料はかかりませんが、
チケットぴあ、コンビニの場合、手数料がかかります。
※未就学児のご入場はお断り申し上げます。
お問い合わせ:天満天神繁昌亭(06−6352−4874)
[3696] 出演情報/2021.05.03(月) 09:52
●落語会情報
◇銀瓶・菊之丞 ふたり会 in喜楽館 vol.2
詳細は後日!
とき:2021年9月21日(火)午後6時開演(5時30分開場)
ところ:神戸・喜楽館(078−335−7088)
※神戸高速・新開地駅から徒歩2分
※神戸市兵庫区新開地2−4−13
番組:笑福亭銀瓶、古今亭菊之丞
木戸銭:一般前売り(全席指定)
チケット発売:チケットぴあ電話予約(0570−02−9999)
@電子チケットぴあ http://pia.jp/t チケットぴあ店頭
セブンイレブン ※Pコード597−410
喜楽館窓口(手数料はかかりません)
※未就学児のご入場はご遠慮ください
※車椅子の方は事前にお知らせください
お問い合わせ:神戸・喜楽館(078−335−7088)
[3695] 出演情報/2021.05.03(月) 09:47
●落語会情報
◇第8回 笑福亭銀瓶 独演会
詳細は後日!
とき:2021年10月23日(土)午前11時開演&午後3時開演予定
ところ:朝日生命ホール
[3693] 今日も銀ぎん!/2021.05.01(土) 11:16
『武田真一さんに会った!で銀ぎん!』 2021年5月1日(土)
ここに書くのは、なんと、1年4ヶ月ぶり。
ダメですね〜。
久々に書きます。
長いですよ。
昨日、4月30日(金)、NHKラジオ『関西ラジオワイド』に出演しました。
自叙伝『師弟〜笑福亭鶴瓶からもらった言葉〜』のPRです。
番組が終わり、帰ろうとしたら、アンミカさんと偶然バッタリ。
15年くらい前に、私の韓国語落語を聴いてくださり、
それがきっかけで、お知り合いになりました。
そんなにたくさん会っているわけではないですが。
アンミカさんのお隣には、NHKの武田真一アナウンサーのお姿が。
「初めまして。落語家の笑福亭銀瓶と申します」
「どうも、武田です」
「武田さん、佐野元春さんの大ファンなんですよね?」
「そうです」
「僕もなんです」
「そうなんですか!我々世代には、佐野さんの歌はたまらないですよね」
武田アナウンサーが佐野元春さんのファンだということは、
NHKの番組で知った。
武田さんも私と同じ、1967年(昭和42年)生まれ。
自叙伝『師弟〜笑福亭鶴瓶からもらった言葉〜』の執筆中、
学生時代に佐野元春さんの曲に出会った話を書いたんですが、
文字数の関係もあり、カットせざるを得なかったんです。
そこで、ここに掲載します。
偶然、武田アナウンサーと会ったことで、そうしたくなりました。
ちょっと長いですが、ご一読ください。
明石高専に在学中の話です。
↓
1年生の時、もう一つ、大きな、そして、衝撃的な出会いが生まれた。
それは音楽で、1人のソングライターが、私にかけがえのない世界を与えてくれた。
最初は神戸の実家から電車通学していたのだが、1時間半はやはり長いということで、4月の終わりくらいに寮に入った。
同じクラスの仲間も数人いるので、そっちの方がいいかなと判断したのだ。
5月だったか6月だったか、秋の学園祭とは別の、寮生だけの「寮祭」があった。
体育館で軽音楽部のバンド演奏があり、そこに、ゲストとして、明石短期大学の女性だけのバンドが出演していた。
その時、彼女たちが演奏した曲、ボーカルの歌声が、なぜか耳に残った。
一度も聴いたことのない曲だった。
しかし、隣の友人に「おい、これ、誰のなんて歌?」と尋ねることもなかった。
それから何日か過ぎた、確か、日曜日のお昼前。
外出先から寮に戻り、3階にある自分の部屋まで階段を上がっていると、どこからともなく、音楽が聴こえてくる。
私の隣の隣の部屋からだった。
「どっかで聴いたことあるなぁ。…ん?…そうや!…あの時の曲や!」
音がする部屋の前まで行くと、ドアが開いたままで、違うクラス、確か、機械工学科の、名前も思い出せない、そんなに会話もしていない、とにかく、同い年の奴が、寝そべっていた。
そいつのすぐ傍にあるラジカセから、その曲が流れていた。
「おい!それ、誰?」
「ん?これ?…佐野元春」
その曲が『ガラスのジェネレーション』だった。
↓
とまあ、こういう風に、佐野元春さんの歌と出会いました。
それ以来、何度もライブに行きました。
今でも、ずっと聴いています。
では、コロナに負けずに銀ぎん!^^